min.bell
¥9,400
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※この商品は海外配送できる商品です。
※次回販売は2025年7月末頃を予定しています。
Introduction
静かな山の中にいると、心が穏やかになる一方で、ふとした瞬間に「何か」が潜んでいるような不安に襲われることがあります。
誰もいない山道を歩いているとき、突然茂みが揺れたり、風とは違う気配を感じたりすると、つい足が止まってしまいます。僕自身、そんな経験を何度もしてきました。それでも大きな熊鈴をぶら下げて常にチリンチリンと音を鳴らすことには抵抗があり、ついつい鈴を家に置き去りにしてしまうことがありました。
不安を感じるときは、トレッキングポールを「カツン、カツン」と叩き合わせて音を出したりしますが、やはり限界があります。
そんな体験から生まれたのが、この『min.bell』です。
まるでお守りのようなコンパクトなサイズで、持ち運びも苦になりません。さらに特別にこだわったのは、その音色です。軽く揺れるだけで響く透き通った鈴の音は、山の静けさを邪魔することなく、自然の空気に優しく溶け込みます。
不安な静寂に包まれた時にも、『min.bell』の澄んだ音が心地よく響き渡り、自分の存在をさりげなく知らせてくれます。使わない時は静かにポケットにしまっておける、控えめなデザインに仕上げました。

もちろん、『min.bell』を持ったからといって熊との遭遇を完全に防げるわけではありません。科学的には熊鈴の効果について議論があり、効果が絶対的とは言い切れないことも事実です。鈴の音に熊が気づいて回避した事例がある一方で、確実に遭遇を避けられる保証はありません。
しかし僕は、熊鈴は不意の遭遇を少しでも防ぐための「心の支え」だと思っています。完璧を求めるなら、声を出す、複数人で行動する、大きな音を意図的に出すなど、他の対策も併せて行うことが効果的です。
熊鈴の最も効果的な使い方は、「何もしないよりずっと良い」という気持ちで携帯することだと思います。
Design
「いつか、ベルを作りたいと思っていた」
山を歩くたび、心のどこかでずっとベルを作りたいと思っていた。
その思いが、2022年8月にふと再び浮かび上がった。 「もしかしたら、今がそのタイミングかもしれない」。そう感じて、思い切って富山県高岡市の能作さんにダメ元で連絡を取ったのが始まりだった。
能作さんは鋳物の老舗。ダメ元で連絡をしたにも関わらず、温かく話を聞いてくださった。打ち合わせを重ねる中で、能作さんが得意とする「生型鋳造(生砂型鋳造)」では、僕がイメージするベルを完全に再現することが難しいことがわかった。
それでも、諦めるのではなく、「この製法でできる最良の形」を目指すことにした。複雑なかたちを追い求めるのではなく、この製法だからこそできるシンプルな美しさを追求する。そう決めてから、何度も何度もやり取りを交わした。

そして手元に届いたのは、3Dプリンタで作られた実寸のサンプルだった。
まだ音は鳴らない形だけのサンプルだったが、その佇まいは美しく、僕の心を捉えるのに十分だった。何より嬉しかったのは、能作さん自身がこのベルの完成形を自信をもって語ってくださったことだ。その瞬間に迷いは消えた。「この方にお任せしよう」。直感に過ぎなかったが、不安はなかった。

ベルのデザインはシンプルで控えめな、わずかに裾が広がった円錐形。一見すると無機質なほどシンプルだが、その背後には試行錯誤の積み重ねがあった。手に取った瞬間、思わず「きれいだな」と小さく呟いてしまった。
山の静けさに溶け込みながらも、しっかりと存在感を放つ澄んだ音色。
こうしてできあがったベルが、あなたと共に山を歩き、不安を軽やかな音色に変えてくれることを願っています。

Material

【真鍮】
真鍮は銅と亜鉛の合金です。その歴史は紀元前1,000年頃からと古く、ローマ帝国では通貨の材料に用いられ、奈良時代の日本では中国伝来の真鍮製品が正倉院に納められました。現在、もっとも身近な真鍮品には5円硬貨があり、インテリアや建築金物の他、澄んだ音色から仏具や楽器としても親しまれています。能作では、すべての真鍮製品を職人の手仕事でつくっており、仕上げによってさまざまな表情を持たせています。
Spec
素材 : 本体部分、真鍮 三角カン部分、鉄(メッキ加工)
サイズ : 高さ25mm×横20mm(本体のみ)
重量 : 約20g(付属のSビナ含む)
生産国 : 日本
生産者 : 富山県高岡市 株式会社能作
Color
※商品のカラーについて
製品画像はできる限り実物の色に近づけるよう努めておりますが、閲覧環境やモニター設定により、実際の色合いと異なる場合がございます。
また、質感や光沢感も画面上で完全に再現することは難しい点、あらかじめご了承ください。

2024年まで、『min.bell』は真鍮の他に「Black」と「silver」というカラーも展開していました。
BlackとSilverは、完成した真鍮のベルの表面にメッキを施したものです。見た目のバリエーションを増やすことで、選ぶ楽しさを提供したかったのですが、メッキ加工を行うことでベル本来の音色がわずかに変化することに気づきました。
一方で、真鍮そのもののmin.bellの音色は、透き通るように澄んでおり、心地よく響きます。表面加工を施さないシンプルな仕上げが、このベルの魅力を最大限に引き出していると感じました。
デザインや色のバリエーションを楽しむことは大切ですが、『min.bell』の本質は「シンプルな佇まい」と「音色」にあると再認識しました。
熟慮の結果、2025年からはメッキ加工を中止し、「真鍮そのまま」の状態での販売を続けることに決定しました。
素材そのものの美しさを存分に感じていただきたいと思います。音色に込めた想いを、純粋にお届けしたいです。
そのような思いが込められた決断です。
※真鍮そのままのカラーです。真鍮は使用過程において黒ずみが発生してきます。それが真鍮の特徴ではありますが、気になる場合は専用クロスなどで定期的に磨いてください。
※三角カン部分は磨かない様にしてください。メッキ塗装が剥がれる恐れがございます。
三角カン部分は使用過程で色落ちして行く場合があります。あらかじめご了承ください。
Tone
『min.bell』の音色です。是非動画を再生して聴いてください。
※動画内、持ち手部分は2024年に販売しておりました紐付きの仕様となっておりますが音色に変更はございません。
※音色の高さ、響き方には若干の個体差がございます。あらかじめご了承くださいませ。
Size Guide



Bic Miniライターとの比較です。
Sビナが付属します
Nite Ize S-Binner Clear #0 Smokeが1つ付属します。

Package
『min.bell』専用の小箱に入れてお届けします。


上画像赤丸のような穴に取り付けてご使用ください。
鋳物の町富山県高岡市
富山県の北西部に位置する高岡市は、人口約17万を擁する県第2の都市。慶長14年(1609年)、加賀藩2代藩主・前田利長が高岡城を築き、その城下町として開いたのがはじまりです。開町から2年後の慶長16年(1611年)、利長は産業を振興させるべく、近郷から7人の鋳物師(いもじ)を招き、金屋町に鋳物工場を設けました。当初は、鍋・釜などの日用品や鋤・鍬などの農具をつくっていましたが、時代のニーズに合わせて多様な製品をつくるようになり、いつしか高岡は鋳物のまちとして知られるようになります。
400余年が経ったいまも、高岡は鋳物生産において国内トップシェアを誇り、仏具や茶道具といった小型のものから、銅像や梵鐘といった大型のものまで、幅広い製品をつくりつづけています。近年では、先人たちが培った技術と現代の感性が融合した、デザイン性の高い工芸品を次々と発表し、国内外から大きな注目を集めるようになりました。まさに高岡は伝統と革新が共存するものづくり都市といえ、そのような環境に能作は育まれてきたのです。
min.bell生産工程
『min.bell』は生型鋳造(ちゅうぞう)という方法で作られています。
少量の水分と粘土を混ぜた鋳物砂を原型の周りに押し固めて鋳型をつくる鋳造法です。鋳型を焼成・薬品処理しないため、砂の再利用が容易で、環境にやさしい製造法です。
鋳造には、生型鋳造、金属型鋳造、ダイカスト、ロストワックス鋳造などの異なる方法や技術があります。
1.まずは上半分の鋳型を製作します。製品と同じ形状の原型をつくり、金枠を載せて砂が逃げないようにします。

2.原型の周りに砂を敷き詰め、押し固めていきます。



3.ひっくり返してエアガンで余計な砂を払います。これで半分が完成です。

4.下半分の金枠を載せて原型の周りに砂を敷き詰め、押し固めていきます。


5.ゆっくりと丁寧に上半分を取り外します。

6.原型が現れました。

7.ゆっくりと丁寧に慎重に原型を取り外します。ここで砂が崩れてしまうと鋳型として使用できないのでやり直しとなってしまいます。


上半分と下半分の金型を再度合わせ、これで8個が生産できる鋳型が完成します。
例えば80個の『min.bell』を作るにはこの鋳型が10個必要になります。

8.溶かした金属を鋳型に流し込みます。
溶けた金属は1200℃程あります。

9.金属がある程度冷めたところで鋳型を崩します。崩した生型の砂は綺麗に精製して再利用されます。

10.砂を払い固まった真鍮が現れました。プラモデルのパーツのようです。
これを一つ一つ切り分け削り作業に移ります。

11.NC旋盤を使用して削っていきます。


12.NC旋盤では出来ない細かい削り作業は一つ一つ人の手で行います。


これである程度完成しました。この後に組み立てや「White Silver」と「Black Nickel」に関してはメッキ塗装を施します。
このように生型鋳造による製品にはたくさんの、職人の高度な技術が必要な工程を経て生まれています。
Collaborator
Collaborateurではその製品を生産してくださる方たちを紹介しています。

【チャレンジ精神をもって伝統産業に轍をつける】
江戸時代より400余年の歴史を刻んできた高岡。この伝統ある鋳物のまちに、仏具を製造する工場として、能作は創業しました。以来、生産体制の転換や業容・業域の拡大を行いながら、お客様の声にこたえるものづくりを追求しつづけて100余年。既成概念にとらわれず積極果敢にチャレンジする姿勢で、脈々と継承してきた技術に、時代を反映した感性を融合させ、鋳物という産業に新たな轍を描きつづけています。

【能作のあゆみ】
1916~2000年 伝統とは革新の連続
能作が鋳物の製造をはじめたのは大正5年(1916年)。創業当時は主に仏具、茶道具、花器を製造していました。
転機が訪れたのは昭和40年(1965年)頃。豊かさを増す日本人の生活に着目し、モダンなデザインの花器を開発したところ、それがヒットし、業務は拡大の一途をたどります。しかし、ライフスタイルの変化、さらには、景気の低迷や生産拠点の海外移転増加による低価格化など、時代の波にはあらがえず伝統的な花器や茶道具・仏具の需要は徐々に減少。能作は苦境に立たされます。

2001~2017年 使用者の目線と型破りな発想で錫製品を開発
昭和59年(1984年)、現・代表取締役社長である能作克治が入社。18年間、一職人として鋳造に明け暮れた克治は、やがてこの磨きあげた技術を活用して自社製品を開発したいと考えるようになります。

道が拓けたのは平成13年(2001年)の東京原宿で開催された展示会「鈴・林・燐」。素地の美しさを生かした真鍮製のベルが注目を集め、セレクトショップでの取り扱いがはじまりました。この形では売れなかったベルに当時の販売員のアドバイスから、短冊をつけて風鈴にしたとたん、毎月1,000個以上が売れる大ヒットに。以降、克治は、お客様の声にこたえる製品を開発することを決意します。現在、主力となっている錫100%の製品も、「食器をお求めの方がたくさんいらっしゃる」という販売員の話をきっかけに生まれました。

通常は硬度を持たせるため他金属を加え行う錫の加工。しかし、能作は「だれもしたことのないことをしたい」と錫100%の加工に挑戦します。その加工は難題でしたが、あるときひとつのアイディアが飛びだします。「曲がるのなら曲げて使える食器をつくろう」。この逆転の発想こそが、曲がる「KAGO」シリーズ」をはじめ、能作を代表する数々の錫製品を生み出したのです。

2017年~ ものづくりのこころを伝える産業観光を推進
職人から職人へと受け継がれてきた、技術と知識、伝統と精神。これらをよりどころに、能作は、照明機器、建築金物、医療部品など、分野を越えたものづくりに挑戦しています。
また、"もの"をつくるだけでなく、"こと"と"こころ"を伝えるために産業観光を推進。

平成29年(2017年)、その拠点となる新社屋が完成。工場見学や鋳物製作体験、地元食材を盛り込んだメニューを錫器で楽しめるカフェ、独自に編集した観光情報コーナーを備えています。



かつて、能作の工場見学に参加した子どもたちが、いまや、能作のこれからを背負う若手職人に。克治が入社した当時7名だった職人はいまや数十名となり、培ってきた伝統を時代に照らし合わせ次代に受け継ぐべく、素材・技術研究や製品開発に取り組み、地域に、日本に、世界に誇れるものづくりを志向しつづけています
株式会社能作
〒939-1119
富山県高岡市オフィスパーク8−1
https://www.nousaku.co.jp/
Regarding Delivery

こちらの製品は「ゆうパケット」にて発送させていただきます。
日時指定はお受けできませんので予めご了承くださいませ。
予約販売を除き、ご注文、決済完了から2〜3日以内に発送いたします。(※土日祝は発送を行なっておりません)
発送完了から2〜3日以内にご自宅のポストに投函されます。
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