2026/04/09 08:13
キャッシュレス化が進む現在、財布を取り出す機会は以前より確実に減っています。
スマートフォンひとつで済んでしまう場面も多く、財布という存在そのものの役割は少しずつ小さくなってきました。
それでも、紙幣、硬貨、カードをまったく持たずに過ごすことはまだ難しい。使う機会は減っていても、完全には手放せない。
その曖昧な境界にある今だからこそ、財布に求められるかたちは、これまでとは少し違ってきているのかもしれません。
必要なのは、多くを収めることでは無く必要最低限のものを、無理なく、過不足なく持ち歩けること。
強い主張ではなく、自然に持てること。そんな考え方から、この『SS WLT』は形になっていきました。
東京のデザイン・スタジオgroovisions代表の伊藤弘さんは、『R ZIP WLT』を実際に使用してくださっているユーザーでもあります。

そんな伊藤さんから、ある日こんな言葉をいただきました。
「R ZIP WLTは気に入って使っているのだけれど、もっとシンプルにしたい」
その言葉を聞いたとき、僕は少し驚きました。
自分の中では、『R ZIP WLT』はすでに十分に削ぎ落とした、最小限に近い財布だと思っていたからです。
これ以上、何をどう引き算できるのだろうか。
そんなことを考えながら、groovisionsのオフィスを訪ね、お話を伺いました。
そこで特に印象に残ったのが、
「もう今回の財布を最後の財布にしたい」
という言葉でした。

この製品は、RIDGE MOUNTAIN GEARの『R ZIP WLT』をベースに生まれました。サイズは『R ZIP WLT』と同じです。
『R ZIP WLT』の考え方はそのままに、構造や役割をあらためて見直し、残すべきものと削るべきものを丁寧に整理していく。
それは単なる簡略化ではなく、財布という道具の意味をもう一度問い直す作業でもありました。
何かを加えるのではなく、少しずつ引いていく。その積み重ねによってたどり着いたのが、このかたちです。
『SS WLT』のSSは、「最後の財布」。
財布を持つことが当たり前ではなくなりつつある時代において、それでもなお必要なものだけを収めるための、小さな道具です。
目立つためのものでは無く、日々の中で静かに機能すること。そんな佇まいを持った財布でありたいと考えています。

そしてこの製品には、もうひとつ大切な背景があります。
Nicetime Mountain Galleryのロゴデザインを手がけているのは、groovisionsの伊藤弘さんです。
また、伊藤さんが使用している『R ZIP WLT』も、Nicetime Mountain Galleryで購入してくださったものでした。

そうしたつながりが自然に重なり、この『SS WLT』はRIDGE MOUNTAIN GEAR、groovisions、Nicetime Mountain Galleryによるトリプルコラボレーションとして販売することになりました。


