2025/08/21 16:34

「岩」を見に行こうと決めて歩き出した今回のハイキング。
最終目的は駒石。
いつか写真で見かけてから、ずっと実物を見に行きたかった。
稜線の彼方に、豆粒みたいに見えいた駒石。遠目では大きさがイマイチつかめない…
空木駒峰ヒュッテで一息。
ここまで下ると、駒石は一度、視界から消える。
早く見に行きたくて休憩もそこそこに、すぐに歩き出す。
やがて、いきなり現れた。
思わず「マジか…」と声が漏れる。
数字では測れない大きさ。近づくほど、空気の重さが変わるような迫力。圧迫感。

バランスを保ち重なっている岩々。そう見える。
けれど、実はひとつの花崗岩が、規則的な割れ目に沿って分かれ風雨や凍結で角が落ちた結果のかたちだと思う。
角度を少し変えるたび、印象が入れ替わる。
正面に回り込むと、巨大なゴーレムの顔みたいにも見えた。
目にあたる影、鼻筋の割れ目、口元のような裂け目。ただの岩なのに、確かに表情がある。
風が通るとても心地い良い場所だった。ここまでの遠回りは、この一瞬のため。
僕らはしばらく黙ってその顔を見上げていた。
下りの行程もそこそこある。僕は満身創痍で下山した。