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2025/08/11 16:04

前回に続き、今回もテーマは“岩”。
舞台は中央アルプス。以前から気になっていた、とある岩を訪ねるための山旅。

その岩に出会うまでの時間ごと、ゆっくり味わいたくて、あえて遠回りのルートを選んだ。
岩の表情に目を凝らしながら歩く、静かで贅沢なハイキング。
同行するのは、友人でありRIDGE MOUNTAIN GEARのメインモデルでもあるOJくん。
この日の行程は、コースタイムで約12時間。
前日の夜は、その長さに少し気圧されていたのも正直なところ。
「本当に歩ききれるのか…?」なんて考えてしまって、モゾモゾと寝付けない夜を過ごした。
それでも朝になれば、不思議と身体が動き出す。
3:00起床。まだ真っ暗な中、静かに出発の準備を始める。
雨は降らなかったけど、湿気がすごくてテントの内側、外側共にびっしょり。
タオルで丁寧に拭いて、絞ってを何度か繰り返して。できるだけ装備を軽くしておきたい。
稜線に着く頃、空が少しずつ明るくなってきた。
朝日が雲海から顔を出し、あたり一面をじんわりと赤く染めていく。
やっぱりこの瞬間は特別だと思う。何度見ても飽きないし、立ち止まりたくなる。
歩き始めてすぐ、大きな岩が次々と姿を現す。
このルートは岩の宝庫だった。一つひとつに個性があって、見ていて飽きない。
ここら辺一体は長方形やカニの爪の様な鋭利なフォルムの岩が多かった。同じ山でもエリアによって岩の形が結構異なるのだ…
そんな事を考えながらさまざまな岩に目を奪われた。ただ、行動時間には限りがある。
「もっとゆっくり腰を据えて構図を決めたい…‼︎」と心は騒ぐけれど、コースタイムを気にしながら冷静にシャッターを切っていく。
その緊張感もまた、山での撮影の楽しさのひとつかもしれない。