2025/04/09 16:35

『LA LA LAND』っていう、ちょっと派手で華やかなミュージカル映画がある。
僕も好きで何度か繰り返し観ているんだけど、その中で、ずっと胸に残っているシーン。
映画の中では特に派手でもなく、ごく普通の日常のように描かれているシーン。
映画の後半、主人公のセバスチャンが自分の長年の夢だったジャズバーをついにオープンする。
とある日のお店のオープン前、セバスチャンは静かなバーの中で、調律されたばかりのピアノを穏やかにチェックしている。
チェックし終え、スタッフの書類にサインをして、その時。
スタッフがふと口にする。「売り上げは、ボチボチだな」
セバスチャンはスタッフにこう言う。「ボチボチが一番良い」
たったこれだけのやりとりだけど、僕はこのシーンにグッと胸をつかまれた。
何かを実現する瞬間って、スポットライトや花火のように華やかなものではなく、こんなふうに静かで、でも確かな日常の延長線上にあるんじゃないかと思えた。
何かに向かって走り出す時は、もちろん全力疾走が必要な時もある。
目指す場所にたどり着くためには、思いっきり走り切ることも大切。
でも、ずっと全力で走り続けるのは現実的には難しい。疲れてしまう。
だからこそ、「ボチボチ」がすごく大切なことだと思う。
急ぎすぎず、焦りすぎず、自分のペースを大切にして、日々の小さな積み重ねを楽しめること。
派手さはなくても。