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2025/01/29 14:31

冬の静寂に包まれた奥日光。
朝の柔らかな光が差し込み、白く染まった森を優しく照らす。
気温は2℃ほど。冷たい空気が頬をかすめるが、動き出せばすぐに体は温まりそうだ。
踏み出すたびに、ところどころふかふかとした雪を踏みしめる感覚が心地よい。
足元の雪がわずかに沈み、ギュッ、ギュッと冬らしい音が響く。
風もなく、木々はじっと静まり返っている。
この冬から新たにラインナップに加わった『Power Stretch Pull Hoodie』をミッドレイヤーにして歩き出す。
適度なフィット感がありながら、ストレッチ性が高く、動きにしなやかに追従する。
保温性に優れ、朝の冷え込んだ時間帯でも快適な暖かさを提供してくれる。
歩き続けると、体が温まり、じんわりと汗が滲んでくる。
それでも、ムレることなく、余分な熱をスムーズに逃がしてくれるのが心強い。
さらに、少し暑いなと感じた時には、左脇に設けたベンチレーションを開けるだけで、一気に熱気を外へ放出できる。
寒暖差の激しいウィンターハイクでは、こうした温度調整のしやすさが快適さを大きく左右する。
頭部の防寒には『Grid Merino Earmuff Cap』と『Grid Merino Long Neck Gaiter』を選択。
冬のハイキングでは、体幹だけでなく頭部や首元の保温が重要になる。
特に風が吹いた時、ここが無防備だと一気に体温が奪われる。
ニュージーランド産の100%メリノウールを使用したグリッド構造の生地は、見た目以上に軽く、それでいてしっかりとした温かさを保ってくれる。
通気性が高いのが特徴で、汗をかいてもムレにくく、長時間快適に着用できる。
登りで体が温まり、少し暑いと感じたら、ゲイターを首元にゆるめて調整。
逆に、休憩中や風が強い時には、グッと引き上げてバラクラバのようにすれば、耳からうなじまでの保温性がさらに高まり、冷たい空気を和らげてくれる。
耳を覆うデザインのEarmuff Capも、寒さを感じた時にさっと着用できるのが便利だ。
パンツは現在開発中のメリノフランネルを使用したもの。
ウールならではの自然な温かみと柔らかな肌触りがありつつ、足さばきを邪魔しない絶妙な厚み。
ハイキング用のパンツは通気性や軽さが重視されることが多いが、冬場はやはり適度な防寒性も欲しい。
汗をかいても蒸れにくく、気温が下がっても冷えにくい。
そんな絶妙なバランスを狙って試作を重ねている。

歩を進めるごとに、森の奥へと誘われる。
木々の間から差し込む朝日が、雪面を淡く照らし始める。
この時間帯はまだ人の気配が少なく、静けさの中で一歩一歩、自分達の足音だけが響く。
雪が積もった道の上には、シカやウサギの足跡がいくつも続いている。
夜のうちに歩いたのだろうか。
ふと足を止めると、遠くで木々が軋む音。静寂の中に、森の気配だけが満ちている。
やがて、沢沿いの道を抜け、庵滝の氷瀑が姿を現した。
轟々と流れていた水が凍り、青白く輝く氷の柱となって静かに佇んでいる。
滝の周りには大小さまざまなつららが垂れ下がり、時間が止まったかのような光景が広がる。
近づいて見ると、氷の奥に水が流れているのが分かる。
完全に凍結しているわけではなく、滝はまだ生きている。
太陽の光を受けて、氷の表面がきらきらと光る。まるで巨大な水晶のようだ。
しばらく立ち尽くし、寒さも忘れてその景色に見入っていた。
少しずつではあるが、RIDGE MOUNTAIN GEARのウィンターハイクアイテムが揃ってきた。
防寒と通気のバランスを考え抜いたウェアが、冬の山歩きをより快適にしてくれる。
どんなに良い景色に出会っても、寒さで動きが鈍ったり、不快な思いをしてしまうと、その感動も半減してしまう。
だからこそ、ウェアの選択はとても大切だと改めて感じる。
次はどんな冬の景色に出会えるのか。
これからの寒い季節、また新しいハイクへと出かけよう。